乳がん治療
Breast cancer treatment

乳がんのセルフチェック

乳がん細胞の特性と
患者様の状況に合わせた薬物療法

               

乳がんの薬物療法は3種類に大別され、どの薬物療法を行うかは、
性質・病理検査の結果などにより検討されます。

                   

内分泌療法(ホルモン療法)とは?

                   

内分泌療法は術後5~10年間の治療が標準治療となっています。長期に渡るため、手術をした病院への通院は大変な時もあります。当院では、手術をした病院に代わり、内分泌治療を行います。例えば、3ヶ月毎に当院へ通院、年に1回手術した病院への通院などが可能です。この場合、乳がんを診療してくれる主治医が2人になるとお考えいただければと思います。がん拠点病院からの地域連携パスによる治療も可能です。

                       

生理があって卵巣機能が活発な女性は、卵巣が女性ホルモンの主な供給源になります。また、女性は通常50歳前後を境に卵巣の働きが衰えることにより、生理が止まり「閉経」を迎えます。閉経後の女性は卵巣からの女性ホルモンの分泌は停止し、副腎皮質から分泌される男性ホルモンが原料となって、「アロマターゼ」と呼ばれる酵素の働きによって女性ホルモンがわずかに産生されます。閉経後の女性は、女性ホルモンのレベルは閉経前に比べ1/100程度に減少します。ホルモン療法には抗エストロゲン剤、選択的アロマターゼ阻害剤、ホルモン分泌抑制剤などがあります。乳がんの術後や転移性乳がんに用いられる「タモキシフェン」は代表的な抗エストロゲン剤であり、女性ホルモンのエストロゲン受容体への結合を阻害します。選択的アロマターゼ阻害剤の作用機序は、アロマターゼの働きを抑え、閉経後の女性において女性ホルモンの産生を抑えます。閉経前の場合は、卵巣からの女性ホルモンの分泌を抑えるホルモン分泌抑制剤を使用することもあります。

効果

約7割の乳がんはホルモン受容体を持っており、ホルモン受容体を有する乳がんは女性ホルモン(エストロゲン)の刺激ががんの増殖に影響しているとされます。手術でとった乳がん組織中のホルモン受容体(エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体)を検査することにより、女性ホルモンに影響されやすい乳がんか、そうでない乳がんかわかります。女性ホルモンに影響されやすい乳がんを「ホルモン感受性乳がん」、「ホルモン依存性乳がん」と呼び、ホルモン療法による治療効果が期待されます。

副作用

化学療法に比べて軽いと言われていますが、顔面の紅潮やほてり、のぼせ、発汗、動悸(どうき)などの更年期障害のような症状が出る場合もあります。これらの症状の多くは治療を開始して数カ月から数年後には治まりますが、症状によっては使用するホルモン剤の種類を変更したり、症状を和らげる薬を投与したりすることもあります。また薬剤によっては高脂血症、血栓症、骨粗しょう症のリスクが高まることが知られているので、そのようなリスクを少なくするための治療を併用することもあります。

                   

化学療法(抗がん剤治療)とは?

緊急入院のリスクがありますので病院と連携している患者様のみ対応できます

抗がん剤治療は様々な副作用により一人での通院が困難な方、外来化学療法室の順番待ちが長く1日がかりで治療をされている方などにおすすめです。当院では標準的な化学療法が行える上、待ち時間も少ないです。また、ご家族のご都合に合わせた曜日で治療が可能です。副作用でお困りの方の相談も可能です。「副作用が出ていて心配だが、治療を行っている病院の外来は午前中しかやっていない」「土曜日はやっていない」など、心配な方は当院にお気軽にご相談ください。

【術前化学療法】

手術を行うことが困難な場合や、しこりが大きいために乳房部分切除術ができない場合には、3ヶ月から半年ほどの化学療法を行い、腫瘍を縮小させてから手術を行う方法があります。また、化学療法の効果を試すために行うこともあります。これを術前化学療法といいます。この方法によって、手術や乳房部分切除術を受けられる人が増えています。術前化学療法で腫瘍が十分に縮小しない場合は、乳房切除術を行います。

【術後化学療法】

早期の乳がんでは、多くの場合、転移・再発を防ぐ目的で、手術後に化学療法を行います。手術後に化学療法を行う目的は、どこかに潜んでいる微小転移を死滅させることです。手術後の化学療法によって、再発率、死亡率が低下することが報告されています。作用が異なる複数の抗がん剤を使用することによって、がん細胞をより効果的に攻撃できることが明らかになったことから、術後化学療法においては複数の抗がん剤を組み合わせて使用します。

効果

がん細胞は、正常細胞と違い、際限なく増殖し続けるという性質があります。化学療法は抗がん剤により、細胞増殖を制御しているDNAに作用したり、がん細胞の分裂を阻害したりすることで、がん細胞の増殖を抑え、死滅させます。乳がんは比較的化学療法に反応しやすいがんとされています。

副作用

化学療法は正常な体にとっても毒であるため、各副作用があります。最近は化学療法の副作用に対する予防法や対策が進歩していることもあり、外来通院しながら治療を受けることが多くなっています。特に髪の毛、口や消化管などの粘膜、あるいは血球をつくる骨髄など新陳代謝の盛んな細胞が影響を受けやすく、脱毛、口内炎、下痢が起こったり、白血球や血小板の数が少なくなったりすることがあります。その他、全身のだるさ、吐き気、手足のしびれや感覚の低下、筋肉痛や関節痛、皮膚や爪の変化、肝臓の機能異常などが出ることもあります。

                   

分子標的治療とは?

分子標的治療は手術後1年が現在の標準治療です。 通院しやすい当院でも対応可能ですのでご相談ください。

乳がんのうち20~30%は、乳がん細胞の表面にHER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与しています。このHER2をねらい撃ちした治療法(分子標的療法、抗HER2療法)が開発され、乳がん治療を大きく変えました。分子標的治療薬は、がんの増殖に関わっている分子を標的にして、その働きを阻害する薬です。

効果

分子標的治療はHER2タンパク、あるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんにのみ効果が期待されます。

副作用

分子標的薬はがん細胞だけを狙い撃ちに治療をするため、一般に副作用はほとんどありません。

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※WEB予約は、3週間先までのご予約になります。
電話予約は、当日から3か月先までの予約が可能です。

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