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乳がんのセルフチェック

乳がんに関するお悩みにお答えします

相談:2015 70代、乳房温存術後の断端陽性に対して

2022/04/24
相談者: 70代
2022/04/24
50代の娘からの質問です。検診で母(70代後半)の右乳房上部腋寄りに乳がんが見つかり、術前診断は進行度ステージ1、ER感受性あり、HER2:1+、悪性度グレード1、増殖指標:intermidiate 10<30%でした。乳房温存部分切除術後、先日病理結果で断端陽性が診断されました。病巣は11㎜×8㎜だったと説明があり、マージンを含めて50㎜径切除して水平に10スライスした結果(下からA~J)、GとHに中心病巣(浸潤性)があり、Hのスライスにのみ体中心側ギリギリに非湿潤性ガンがあったと説明がありました。説明時には私はおらず、主治医が母ひとりに説明したものの、再手術の選択肢説明に動揺した母がその場で強く再手術を拒否したため、ある程度冷静な父が途中から合流して聞いた内容をお伝えしています。この状況もあり、現時点で主治医からは①体中心側の10㎜幅程度の追加切除、もしくは②当該部分への重点的な放射線治療、どちらでもいいので本人に選ぶように伝えられています(今週金曜)。 説明時に「ギリギリ」が真に断端から何㎜なのかは確認できていません。 母は断端陽性を聞いた時には主治医の手術ミスと思い、信頼できない/裏切られた(怒)と思ってしまったそうです。今は少し冷静になって、どちらかを納得して決めねばと思っているようです。基礎疾患は高血圧と脂質異常症、胃潰瘍で、身長158㎝/50㎏。認知症はなく、階段の上り下りを含めて自立歩行可能で、家事一切を行っています(車も運転)。10年ほど前に子宮体がんの診断で全摘手術を受けていますが、両親は脳卒中と糖尿病を伴う老衰、姉妹にもガンはなく、いわゆるがん家系ではないのだろうと思っています。 質問は、こういった高齢者の情報があまりないので、①②のどちらを選択するのがより適切か、より標準か/選択されるべきかです。母が再手術を拒否する発言をしたため、主治医の先生が「どちらでもいい」と一歩引かれているのか、判断の基準がなくて、アドバイスができず悩んでいるところです。ぜひご示唆ください。 …不思議なのは、退院後は入院(術前日入院で2泊3日)前と変わらない印象だった母が、断端陽性診断後、なんとなく足元が少し不安定になったことです。鬼軍曹として食べることと歩くことを指示していますが、気持ちの問題なのかと思うと、心配です。長文恐れいります。何卒よろしくお願いいたします。

部分切除後の断端陽性は時々あることです。
術前の画像診断で、ここまで撮れば取り切れると判断し手術を行うのですが、
顕微鏡で見ると切除断端にがんが残っていることは、時々あります。
ですので、術前に断端陽性になる可能性があることは説明されていると思います。
 断端陽性時の対処ですが、浸潤がんが残っっているのであれば、再手術をお勧めしますが、
非浸潤がんの場合は、再手術でも放射線でもどちらでもいいと思います。
部分切除なので断端が陰性でも放射線治療が必要で、断端陽性部分に追加で放射線を当てます。
放射線治療は乳房だけに当てるので、ほとんど副作用はありません。
さらに術後の治療でホルモン剤の内服があると思いますので、たとえ放射線で焼き切れていなくても、ホルモン剤で残ったがんが消失する可能性もあります。
放射線治療のメリットは、手術はしなくていい、乳房のこれ以上の変形はないです。
デメリットは、生きた乳がんが残っているかもしれないことです。
再手術の場合、もう一度手術するという不安と、残った乳房の変形が強くなることがデメリットです。

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