相談:2286 肥満乳がん患者の再発予防
2022/11/20
相談者:
60代
2022/11/20
浸潤乳がんとの診断を受け、手術・放射線治療を終えて、現在はアナストロゾール服薬中です。
こちらのサイトでいろいろと勉強させていただき、知識を得るとともに担当医への質問もブラッシュアップされ、病気への理解を深められております。
また、論文や医療機関の発表を掲載するサイトも読み、さらに病気への理解を深めている最中でもあります。
その中で生まれた疑問を先生にお聞きしたく、投稿させていただきました。
まず、私は肥満であり、乳がん自体もホルモン受容体陽性なので、再発予防のためエクササイズとトレーニングを始めようと考えております。ただ、調べた中に「診断時の肥満」および「診断後の増量」についてのデータはあったのですが、「診断後の減量」についてのデータが見当たらなかったので、先生の知識や経験をご教示いただければと存じます。
次に、肥満乳がん患者の予後は悪くなりがちですが、その理由にアロマターゼ阻害薬の効き目の低下を挙げるサイトがありました。アロマターゼ阻害薬は肥満の方が効きづらいのでしょうか。エキセメスタンでは肥満か否かで効果に違いがないデータを見ましたが、アナストロゾールではまた違いますか。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
乳がん診断後の体重減少が、再発を抑えるというデータはありません。
乳がん診断後の体重増加が、再発を上げるというデータがあるだけです。
太るよりは、痩せた方が、乳がんにも生活習慣病にもいいと思います。
アロマターゼ阻害剤は、男性ホルモンが、皮下脂肪にあるアロマターゼを使って、女性ホルモンになります。
このため、肥満の方は、皮下脂肪が多いので、アロマターゼも多くなるので、昔はアロマターゼ阻害剤の効果が弱くなると言われていましたが、現在は、効果に変化がないというデータも出てきており、はっきりしたことは分かっていません。
アナストロゾールも同じです。
個人的な意見としては、飲み薬の量は、ほとんどが欧米で量が決まって、そのままの量で日本人が内服しているので、体型の小さい日本人には内服量が多すぎる可能性があると思っているので、多少太っても効果が落ちることはないと思います。